庭球:逆☆ー

□CRAZY F YOU 〜跡部景吾の場合〜2
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そして放課後―――


「えぇ、その話だったら さっき担任の先生から聞いたトコロですよ。丁度、女子部の方も
先日依頼されて手入れもしてる事ですし、お祖父ちゃんがしていた仕事なら喜んで引き受けますよ。」


「良かったぁー!じゃ、さっそくコート見てもらえます?」


放課後、帰ろうと ゲタ箱に手をかけた亜希は 鳳に呼び止められ、グラスコートの依頼を受けていた。
大好きだった祖父が、こんな処の手入れをしていたと初めて聞かされた彼女は
1秒でも早く そのコートが見たくて、2つ返事で鳳の後へ続き白亜の塔へと足を向ける。


「この建物・・・テニスコート・・・だったの?!」

7階建てのソレを見上げた亜希は、驚いて呟く。

「お恥ずかしながら、そーなんです。エレベーターがありますから、こちらへどうぞ。」

鳳の声に亜希は、見上げたままの姿勢で首を横に振る。

「せっかくの良い天気だし、私、このスロープから上がりたい。」


そう言う亜希に鳳は 一瞬ポカンとした様な表情をした後、フッと微笑むと『それじゃ』と言い
並んで上り始める。

7階に辿り着いた時 亜希は、秋晴れの美しい風景に目を奪われた。


「へぇ・・・こんな都会の中なのに、ココからの見晴らしはキレイなのねぇ・・・。」

そう呟いた亜希の言葉が終わらない内に、背後から小さなどよめきが聞こえ
振り向くと―――


「くらえッ!破滅への輪舞曲だ・・・ッ!!」


「なに・・?!あの、えげつないスマッシュは・・・?!」
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