庭球:逆☆ー
□Love Tact (亜久津モノ)
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亜久津クン・・彼には、負けられない『理由』がありますから。
―――理由?
一生懸命練習した人間なら たとえ負けても、格好悪い事なんて 一つもないですけど
テニスをバカにして ろくに練習もしなかった人間が、そのテニスで負ける事ほど
格好悪いコト・・ないですよ―――
それが、彼の負けられない『理由』―――
そんな事には、耐えられない男なんです 彼は・・・。
◇
◇
◇
◇
―――そして俺は、青学1年の『小僧』に負けた。
それは、この上ない屈辱と 快感だった。
『アメリカ?』
『そうです。テニス留学しませんか?亜久津クン。このまま、越前君に負けて終わりって言うのは、
悔しいでしょ。』
『・・・あぁ。確かに、ムカつくな。』
『だったら―――』
『だが、コソコソ隠れて 奴を出し抜く様なマネは、余計に みっともないぜ。』
そう、あの負けた時点で 俺はもう、決めていたんだ。
テニス部は辞めても、『テニス』は辞めない と。
自分の足で、いくつものクラブを見て回り 選んだテニスクラブ通いも始めた。
俺は必ず、あの小僧に勝ち その上をゆく。
だから、俺は―――
『―――・・・・・。』
『え?!それ・・亜久津クン、本気ですか?!』
『悪ぃ、伴爺。そういう事だからよ。』
そうして 俺の中学生活は、幕を閉じた。