LONG BOYSLOVE

□君のトナリ―永遠の楼閣―
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いつからこんなにも弱虫になってしまったのだろう。苦しさのあまり、涙が溢れてきた。
(泣くな・・・泣くな。)
言い聞かしても涙はとめどなく頬を伝う。涙を拭うのもめんどうだ。
(どうせ、止まらない・・・。)


「俺が不二を置いていくわけないだろ!」
夜空を仰ぐ僕は視界の端に英二を捕まえた。
「そうやって独りで抱え込むなよ!手塚は不二の所に帰ってくるから!」
かけよってきて、僕をすっぽりと包み込んだ。ほとんど変わらない身長の英二が大きく、僕を優しく包む。・・・不思議なほど安心した。
「手塚が・・僕の所へ・・帰って・・・・・。」
「来る!絶対帰ってくる!!乾のデータにも書いてあったもん!!」
「・・なにそれ。」
「本当だって!泣いていたら手塚が心配するでしょ?ねっ?」
「・・・そうだよね。」
「そうだにゃ〜笑うの!悲しい顔は悪いもん引き寄せるんだから!!」
「本当に?」
「本当だよ!これも乾のデータに書いてあるよ!」
「・・・英二ウソばっかり。」
「ばれた?」
「ばればれ。」
「でも、手塚は不二の所に帰ってくるから!これは俺が保証する!!」
英二の冗談が嬉しかった。抱きしめてくれる腕に力が入り、僕は締め付けられる。そんな感覚に僕は“ホッ”とする。


今度こそ大丈夫だと思った。・・心が強くなった。
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