LONG BOYSLOVE
□君のトナリ―永遠の楼閣―
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[Scene.7]
あの後、どうやって帰ったのか覚えていない。目覚めたときにはもうベッドにいて新しい一日が始まっていた。
僕はシャワーを浴びて目覚めを実感する。朝はまるで何もなかったかのように青空と日差しが僕の部屋に降り注いでいた。
(まぶしい・・・。)
日差しが目にしみる。眩しすぎて・・・僕は光に目を向けることが出来ない。
心が僕の結末を告げていた。
僕は学校へ行かず、部屋の片づけを始めた。ここには君が溢れすぎている。
ダンボールを持ってきた。その中に君とつながるもの全てもつめこむ事にした。
(この本は手塚が面白いから読めって言ったんだよね。)
箱の底にそれを落とす。
(このリストバンドは君と僕のを交換して・・・。)
部屋にあるもの全てが君のような気がする。
(あの傘も・・・。)
あの服も。
あのノートも。
あの鞄も。
全てが君と関わりを持っているから。
君を記憶から消したかった。
でもそれは叶わない。だって・・
(僕自身が君のものだから。)
僕の結末は決まっていた。
(もう会えない・・・僕はイラナイのだから。)
手塚が僕を必要としていないのは歴然としていた。君はドイツ留学へ僕を連れて行く気なんて初めから微塵もなかった。だから僕を切り捨てようとしたんだ。
(さよなら、手塚。)
片付けた荷物を部屋の隅に置き、僕は部屋を後にする。