Daily Love

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学校が憂鬱になった。


あれからのこと

毎日のように誰かにストーカーされるようになった。


ケータイにも迷惑メールやイタ電がいっぱい来るように。


入江先輩や絵里ちゃんに会える楽しみが私を学校へ向かわせていたけど

学校へ行けば帰り道でストーカーに遭うって分かってるから

どうしても学校に行くのがしんどくなる。


2人や家族にさえこのことは話してない。


明日から夏休み。

夏休みに入ったら一歩も外に出ずに、アド変したら大丈夫。


それでなんとか1人で解決した方がみんなを騒がせないで済む

そう思ったから。


今日は入江先輩が部活がオフの日らしく

一緒に帰ろうってメールが一通。


「(どうしよう……。)」


終礼が終わってもまだ悩んでると

兵隊くんが近づいてきた。


『あっあの、篠崎さん…、』

「ん……?」

『8月の花火大会、一緒に行かない…?』


横で絵里ちゃんが盛大に吹き出した。

兵隊くんはそれを気にもせずこちらを見つめてくる。


「(こんなときに…。)」


あちらからもこちらからも悩みの種は降ってくる。

考えとく、と言ってひとまず保留にしておいた。


そんなことは今はどうでもいいんだ。

入江先輩と帰るや否や。


やっぱり用事があるって断ろう…。


メールを打とうとしたら、着信画面。

文字を打つ勢いが余って決定ボタンを押してしまった。


「わっ、あ、もしもし…?」

『もしもし、今日いける?』

「あ、はい!」


入江先輩の声が聞けたことに気分が少し晴れて

押し寄せる気持ちについハイと口から出た。


……会いたい。


最近迷惑メールやイタ電がうざくて

ケータイの電源を切ってることが多かったから

あんまり連絡も取れなかった。


自転車で送ってもらえるしなんとかなるか、と思って

絵里ちゃんに一言言って教室を出た。



  
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