Daily Love

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いつもの改札を出て、家まで歩き出す。


駐輪場に入江先輩の自転車を見つけて

なぜかそれだけでハッピーになる。


家まで15分。

入江先輩とのメールを見返しながら歩くことに。

すると


「いっ!」

前を見てなかったせいで電柱にぶつかっちゃった…。

咄嗟に周りに人がいないか確認。


「………?」


さっき通り過ぎた角に、人影がちらつく。

まるでこっちを見てたかのよう。


「(もしかして……。)」


絵里ちゃんの言う通りだったのかもしれない。


慣れた道が急に怖くなって、家まで走り出した。





「ハァ…ハァッ……」


ローファーが思ったより走りにくい。

かばんも邪魔。

ふと後ろを見たら、絶望的な光景だった。



「っ……!?」


大きな男の人が追いかけてきてる。

間違いなくさっきの人影。


死ぬ気で走った。

でも、普段体育以外では運動をしない体はすぐに悲鳴を上げる。


「(足がつりそう……!)」


体にむちを打つように走り続け、

家まであと100メートルくらい。


また後ろを振り返った。


「(あれ……?)」


男の人の姿はなくなっていた。

逃げ切れたってことなのかな?


息を整えながら家まで早歩き。

最後の曲がり角を曲がったそのとき



『篠崎琴音……。』


「!?」


家の前にさっきの男がいる。

じりじりと近寄ってくる。


『うまそう……抱かせろ!!』


「いやああぁ…!」


こっちに向かって走ってくる。


足がつるとか体力がないとか、全部忘れて逃げた。


「(入江先輩……助けて…!!)」



continue..
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