Daily Love
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『おやすみ、僕のお姫様。』
「入江、せんぱ……。」
そっと頬に降ってくるキス。
雪みたいに、降ってはとけて…また降ってはとける。
唇に、降ってこないかな……――――
「しまった……。」
朝。ケータイは耳元。
あれから、体調もよかったからベッドに寝転がって他愛のない話をした。
気持ち良いふかふかベッドの上で、入江先輩の声がこもりうたになっちゃった。
入江先輩の声を感じて、ぬいぐるみを抱きしめて、
これが入江先輩だったら…なんて考えてたら
あまりの心地よさにいつの間にか寝落ち……。
しかも夢見てた。
入江先輩の唇が……。
「っ…もう……。」
寝起きにこんなに血色がいいことがあろうか。
“お姫様は寝ちゃったかな?おやすみ、よい夢を”
と、最後に月の絵文字が付いたメールが来てた。
「ああっ入江先輩っ…!」
顔に火照りを感じながらも寝てしまった罪悪感にさいなまれる。
「好きですぅ…好き、大好き……寝ちゃってごめんなさい…。」
沸騰してきたお湯みたいにぶくぶくと湧き上がってくる罪悪感。
思いっきり謝ったメールを送った。
「あーあ…次からは目をこじ開けておこう……。
って、そうだ!今日お弁当1個多く作る日だ…!」
一人ごとをごたごた言いながら部屋を出た。