Daily Love
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「はぁ…。」
『ん…?』
「なんか、今星を見てるんですけど、
この星が入江先輩の所まで乗せていってくれたらなって。」
今までで一番勇気を出した言葉かもしれない。
普段こんなロマンチックなこと想像しても言わないのに
どうして入江先輩には素直に言えてしまうんだろう。
クス、と笑う声と受話器にかかる吐息の音。
『大胆だね。』
指摘されると恥ずかしさが急上昇して
それこそ今私が食べごろのりんごだ。
『そういう真っ直ぐなところ、好きだよ。』
「えっ……、」
――好きだよ
告白されたような気持ちになる。
いつかほんとのほんとの意味で言ってもらえる日が来るといいな…。
『ね、窓から顔出して。』
「……?」
窓から顔を出す。
会いたくてしょうがなかった人が
近所のマンションからこっちに手を振ってる。
「わあ!すごい近いんですね!」
嬉しくなって、大きく手を振る。
そういえば、以前こんなシチュエーションがあった。
6月の初夏、夏服に変えた日のことだったかな。
『あの時は鼻血出しちゃったよねえ。』
「うっ……。」
『はは、ごめんごめん。』