Daily Love

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「妹がふたりいるよ。」

『ふうん、じゃあ篠崎さん長女なんだね。』

「うん。」

『………。』


兵隊みたいな男子、高田くんっていうらしいけど

雰囲気が兵隊っぽいから兵隊くんでいいや。


兵隊くんに思いっきり大きな声で『今から俺と遊んで下さい!』

って頭を下げられて、押しに弱い私はOKしてしまった。

そして今に至る。


お洒落な喫茶店。

ファーストフードのお店に行くのかと思いきや、けっこう変わった人なんだね。


『俺は次男で、3つ上の兄がいるんだ。』

「へえ、そうなんだ。」

『…………』

「…………」

『…………』


会話が続かない。

入江先輩との会話は途切れることないのになあ。

今頃部活やってるのかな、入江先輩。


ぼやぼやと考え事をしていたら、カラオケに行こうと言われた。

正直乗り気じゃない。

だって男女ふたりでカラオケだなんて……。


『行こう、俺がおごるから。』

「………」


捨てられた子猫の顔されたら断れなくなる……。








ラブソングばっかり歌ってはこっちをチラチラ見てくる兵隊くん。

感想でも求めてるのかな?


私は持ち歌がない、なんてごまかして7割は聞いていた。


兵隊くんは歌うのが好きみたいで、フリータイム終了の21時まで熱唱。

最後の方はもう眠たくて眠たくて……。



『今日は付き合ってくれてありがとう。家まで送るよ。』


「あ、ごめん私学校にケータイ忘れちゃったみたいだから、これで。」



ケータイを忘れたのは本当。

でもさすがに21時を回った今から学校に行くのは危ないと言って

兵隊くんがついてきてくれることに。
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