Daily Love
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夏が近づいてきた。
昼休み。
初めての夏服は新しい気分になるけど、寒がりな私にはまだちょっと寒かったみたい。
みんな暑いのかな?
教室のドアは全開。
廊下のドアも全開。
吹いてくる風が冷たい。
ぶるっと寒気がして、廊下の窓をこっそり閉めに行く。
不意に手が止まった。
「(…入江先輩だ。)」
向かいの3年生の校舎。
とある窓から入江先輩が顔を出していた。
冬服が暑いからか、気持ちよさそうに風に当たってる。
ふわふわと髪がなびいて、1枚の絵画になりそう。
コンタクトレンズに感謝しながらじっと見つめる。
あ、こっち見た…!
一瞬目をそらしてしまう。
視線を戻すと、笑顔で手を振ってくれた。
必死でぺこぺこ頭を下げる。
一気に身体中に熱が沸き上がった……。
あれ?入江先輩、急に血相が変わった?
自分の鼻と、こっちを指差してる。
ことを理解するまで3秒程はかかった。
「わ、絵里ちゃんティッシュ持ってる…!?」
「んー?…って!めっちゃ鼻血!!
寒かったんじゃなかったの!?」
あー、かっこ悪いとこ見せちゃった。
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