Give

□離さん
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結ばれたばかりの恋人達は


ラブラブで、ロマンチックな会話があったりもして本当に幸せそう。


私と雅治だって…


告白したとき「一生離さん」と言われたことは忘れない。


登下校だっていつも一緒。

雅治が朝練の日は普通よりかなり早起きしてまで一緒に学校に行ってた。

放課後だって、夜の学校から“出そう”で怖くてもテニス部が終わるまで待ってたし。


帰宅部である私と雅治には結構ムリがあるのに

一分一秒でも時間を共有したいが故だった。


経済的に苦しくても雅治の分までお弁当を作った。
(雅治が援助してくれてた。)


メールや電話だって、少なからず成績に影響が出る。

夜の長電話なんてそれこそ次の日がしんどいというのに
どれだけ眠くても「まあいっか、大丈夫。」なんて言って笑った……一一


二人で乗り越えていたけど

やっぱりどうしても限界があった。

無意識のうちにだんだんしんどくなって……。


付き合って二年経った今、ほとんど何もしなくなった。

月に一回有るか無いかのデートと、テスト期間中に雅治ん家で勉強をするくらいにまで落ち着いてしまった。


むしろ好きでいてくれているのかも分からなくなるときがある。

メールは全然返してくれないし、電話も出てくれずにそのままシカト、のパターンが多い。

忙しい彼のことを理解しているつもりだけど、やっぱり寂しい。



(このままどんどん……)

最悪な事態を想像してしまう。

だってもうすぐ全国大会で更にデートや連絡は減ってるし
それが終わると次は本格的な受験勉強シーズンが始まるから。

恋愛には不向きな環境の連続。


雅治のことが好きでたまらないのに……
「好きって気持ちだけじゃダメ」とはこのことなんだな、と胸が痛む。

そのせいで眠れない夜すらある。


大事な時期にいる雅治には言えないんだけどね。



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