ホラー
□笹塚衛士
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〜天国へ…〜
今俺の目の前に居るのは
死んだはずの彼女………
何故
此処に居る……?
お前は
怪盗サイに殺された
「えい……し…。」
苦しみの感情を露にした彼女の容姿は
悲しみが残酷を纏っているのが
俺には分かった…
「……会いた…かった…。」
「…………。」
車という赤い箱に押し込まれた苦痛が
濃厚の血となって流出し
切り刻まれた骨は
赤く剥き出しになり
血の赤を僅かに薄める雨で
髪を濡らされ……
何もかもが
赤
少し恐怖感を覚えた
「こっち…来「ごめん…。」
「……!」
彼女を腕の中に取り込み
胸に密着させた俺は
彼女の血と涙で
滲んでいく…
「ごめん……守ってあげられなくて……。
もう、大丈夫だから…。
お前の居る場所は、此処じゃないよ…。」
「どう…して…?」
「…天国から
俺を見守ってくれ……。」
「…………………
…うん…………。」
暫く抱き合うと
彼女の姿が霞み
天国へと上っていった…
(ずっとずっと…見守ってるからね……)
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