ネウロ

□匪口結也
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〜喪失〜


思ってもいなかった。















彼女が






別れを告げてくるなんて‥‥。












彼女が好きかというと

そうとは言い切れなくて



嫌いかというと

またそれも
そうとは断定できなくて


曖昧だった。






でも、

別れる気なんて
一欠けらも無かった。
















別れ話のとき、

彼女は、泣きながら
こう言ってきた。













『結也は好きだよ。


でも、
もう耐えられない‥‥』
















そうか‥‥
そうだったのか‥‥


彼女と付き合っていた頃

俺は仕事からの疲れで
ストレスが溜まっていた。




それで何時の間にか

彼女に八つ当たりをしてしまっていたんだ‥‥。















自分の非力さと
失ってから分かる大切さを痛感した。




ごめん、という気持ちが込み上げると共に


これからの全てにおける自信が失くなっていく。



















別れて以来

彼女と喋る機会はあるものの


彼女は全く俺に話し掛けて来ない。




きっと、
俺が怖いという感情が
まだ心を支配しているのだろう。















こんなに傷付けることになるのなら


彼女のこと
好きになるんじゃなかった‥‥‥。

















 
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