Daily Love
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机の横にかかったお弁当の紙袋に視線を送る。
「(入江先輩、気に入ってくれるかな……。)」
午前中授業だから、4時間目が終わったら屋上で待ち合わせ。
あと10分で4時間目も終わり。
「(今日の授業は長く感じたなぁ……。)」
先生の話をよそに、窓の外を見た。
校門から女の子が入ってきたのが見える。
「(どこの制服だろ……。
そもそも他校の生徒は基本立ち入り禁止じゃなかったっけ。
あ、こっちの校舎に入った…?)」
女の子の行方を追っていると、チャイムが鳴った。
終礼はなし。
絵里ちゃんに一言挨拶をして教室を飛び出した。
「ねえ、そこのあなた!」
廊下を歩いてたら、質の明るい声が聞こえた。
見れば、さっきの女の子。
「今困ってて……ちょっといい?」
大きな目には涙がうっすら。
授業が終わってすぐ出てきたから、周りには誰もいない。
「どうされたんですか…?」
まだ時間はある。
早く終わらせて早く屋上に行こう。
「こっち来て!」
強引に腕を引かれる。
「あの、今からどこへ…?
私一応これから用事があって…。」
女の子は何も言わないまま私を引き連れる。
着いた先は……――