Daily Love
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まだ着慣れない制服に身を包み、今日も高校へ登校。
4月中旬の放課後。
告白スポットに咲いてそうな桜の木の花達は、あたたかい風にゆらゆら。
教室はメールアドレスの交換や自己紹介をしあう声や
体験入部に一緒に行こうなんて誘いの声などで騒がしかった。
目立たない私はまだ友達の一人も作れてない。
でも、浅い付き合いの友達がたくさんいるより、
一人でも私のことを理解してくれる友達がいれば私はいいと思ってる。
そんな暗い考えをしてるからなかなか友達できないのかもしれないけど。
「絵里ちゃん、今日は体験入部行くの?」
「うん、それなんだけど、テニス部一緒に行ってくれない?」
絵里ちゃん。
中学校時代からの大親友で、何でも話せる仲良しなんだ。
「テ、テニス部…?私、スポーツ全然できないよ……。」
「まあそう言わずにさ、一緒に行く人居なくって…お願い!
琴音もたまには運動しようよ!ね!」
そんなこんなで、春休み中全く運動しなかったのは確かだったから
なんとなく絵里ちゃんについて行くことにした。
これが恋の始まりだとも知らずに。