Iolite

□●第七章 野営●
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それから数日後、彼らは大雨の中…馬を進めていた。

「あの…ガンダルフさん、この洪水どうにかなりませんかね?」

「洪水ではない、雨じゃ」

ドーリの声にガンダルフは僅かに後ろを振り返り、もっともらしく答える。

「雨は降り止むまで降り続けるものと決まっておる。天気を変えたくば他の魔法使いに頼むことじゃな」

他の魔法使いは実際に天候を変えられるのか…

そもそもそのような力があるのか…

彼の飄々とした口ぶりからは分からない。

もっとも彼らが知っている魔法使いはガンダルフただ一人。

事実がどうであれ…その魔法使いが否と言っているのだ、これ以上の議論は無駄だとドワーフ達は口を噤んだ。

だが、好奇心旺盛なビルボは別。

「他にもいる?」

「…何が?」

「魔法使い」

ガンダルフは前に向き直って宙を見た。

  
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