Iolite

□●第二章 手●
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『!!』

小さく息を呑んで前のめりになった彼女はすぐにがっしりと腕に支えられて顔を上げた。

『ごめんなさい』

「彼の言った言葉がよくわかったよ」

彼女をちゃんと立たせた後、キーリはニヤリとニコリの間のような笑みを見せた。

【外は暗いから、送っていくよ】

ビルボが気遣ってくれた言葉。

「君は夜歩きには不向きらしい」

さきほどからキーリは何度となく転びそうな彼女を助けていた。

三度目に転びそうになった時からランプをわざわざ彼女の足下を照らすように掲げていても…あまり効果はないようだった。

ルリはモゴモゴと礼を述べながらがっしりとした彼の腕の中から体勢を立て直した。

 
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