Sixth year
□◆第七章 独占◆
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『変じゃない?』
不安気なルリの声が聞こえ、談話室のソファに座って待っていたシリウスが顔を上げた。
女子寮からの階段を降りてくるリリーの後ろに……
「ルリ?」
思わず漏れた名前に、ルリがサッとリリーの影に隠れる。
「大丈夫よ。すごく可愛いわ」
親友は彼女の手を取ると引っ張り出した。
「ね? ブラックもそう思うでしょ?」
「……………」
いつも真直ぐな彼女の長い黒髪はくるくると螺旋を描いている。
いつもより大きく見える目と色付いている唇はごく微量に施された化粧のせいだろう。
アイスブルーのワンピースから白いレースのペチコートが覗いていた。
『シリウス?』
何も言わないシリウスにルリが不安そうに声をかける。
隣にいたジェームズに脇腹を肘打ちされて我に返った彼は慌てて返事をする。
「ああ…まぁまぁだな」