Fifth year
□◆第一章 浄眼◆
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「随分と熱烈な送別を受けてたね」
コンパートメントにはシリウスとピーターが待っていた。
いつもの位置を空けてもらって腰を降ろしたルリに、ジェームズはそう言った。
どうやら彼には目撃されていたらしい。
ルリは照れくさそうに眉を下げる。
「ルリ…お…お父さんにあんまり似てない…よね」
ピーターの言葉にシリウスも以前ホームで彼女を抱き上げて頬擦りしていた当主を思い出した。
ロイと同じ薄茶の髪に同色の瞳…長身と整った容姿。
明らかにロイとは血縁者と分かる色彩と外見だった。
だからこそレナードとロイが親子だと何の疑問も持たなかったのだが。
それならばルリの瞳は隔世遺伝か…?