Iolite

□●第十二章 裂け谷●
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人が一人やっと通れるほどの狭き道を…

まるまるとしているボンブールなどはところどころ詰まり後ろから押し出されていたが…

一列になってひたすら進む。

ルリはふと上を見上げた。

岸壁に細長く切り取られている空は晴れ渡っている。

「どうかした?」

後ろを歩いていたビルボに問われ、彼女はハッと我に返った。

追い抜くこともできない狭さのここでは誰かが足を止めれば、後続の歩みを止めてしまうことになるのだ。

そのことに気付いてルリは慌てて前を行くドワーフとの差を縮めようと足早に歩き出す。

どれくらい歩いただろう…

両脇に連なっていた岸壁がふいに開かれ…

彼らは谷の淵に立っていた。

 
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