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□おやすみ、またあおう
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彼に差し出された紅茶は異常と思えるほど苦かった。けれど、いつも安い紅茶ばかり飲む私はこれが高い紅茶なのだと納得してしまった。

だってあんまりにも綺麗で高級そうなカップに注がれていたのよ?高い紅茶だと思ってしまうでしょう。

私が異変に気付いたのは、それを飲んで数分だったか。急にくらくらし始め、手には力が入らず。彼のお気に入りの白い絨毯が茶色く染まってしまった。
慌てて私はごめんなさい、と謝った。すると彼は笑顔でいいよと許してくれた。なんて優しい人なのだろうと思った。

でもね、でも、なんでかしら。その時見た彼の表情は、嬉しそうに微笑んでいたの。普段の微笑みとは、違う微笑み。背筋が凍ってしまうような感覚がした。なぜか、逃げなければならない、そう思った。

彼は目を細めて、私に近付き、私の手をとった。私はそこで、自分の手が震えているって初めて知った。どうしたのこんなに震えて、彼はそう問うてきた。くすりと笑みをもらしながら。
私は何故自分がこんなにも震えているのか分からなかった。自分の体に起きたことに、気づいていなかった。

答えがわからず黙ったままいると、彼は急に、狂ったように笑い始めた。ふははは!と。いつもは上品に笑う彼だから、まさかそんな笑い方をするだなんて、あまりにも驚いて、私は目を大きく開けて彼を見た。


彼は唇をなめらかに動かした。


馬鹿だね君は、ノコノコついて来て、俺がどんなやつだとも知らないで、俺がどんなことを考えているかも知らないで、君は本当に馬鹿だね、俺が君をあいしてるって知ってるかい、俺が君を殺したいほどあいしてるって知ってるかい、君が飲んだ紅茶には毒薬が入ってたんだ、おいしかった?あともう少しで君はしんでしまうんだよ、ああ大丈夫、君がしんだら君が淋しくないようにずっと君の横にいてあげるね、毎日毎日キスをして君を抱きしめてあげるね、長い年月が過ぎてもし君が骨になってしまっても俺は君から離れない、君をあいしてるよ、もし君が消えてしまったら、俺もしんでまた君をころしてあげる、また君をあいしてあげる、また君が消えてしまったら、また俺もしんでまた君をころしてあげる、また君をあいしてあげる、君を永遠にあいしてあげる、ころしてころしてころしてあいしてあげる!


はぁはぁと息が荒くなってきて、私はついに倒れ、徐々に息をひいた。


おやすみ、またあおう


真っ白な世界で響くのは彼の声だけ




091009 新咲



カイツキ子さんリクエスト
(幸村/ヤンデレ)

名前変換なくて申し訳ないです(ペコペコ)狂わしたらこんな感じになりました。

実際幸村さんが紅茶を飲んでるかは知りませんが、幸村さんなら紅茶だって緑茶だって青汁だって似合う漢だから大丈夫だと思いますきっと。

ちなみに白い絨毯は勝手なイメージです。幸村さんは水色が好きらしいですが私の勝手な妄想で白も好きかなと思いました。思っちゃいましたすみません。

これからもこんな私のしょうもない妄想文でカイツキ子さんが萌えてくれれば嬉しです!リクエストありがとうございました!書きなおして欲しかったら遠慮なくどうぞ!


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