捧げ物
□龍牙さんに30000HITキリリク
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(???)
「練習、しとこうかな?」
「貴方に練習などいりませぬ。無駄に力を使うだけですぞ」
「本番で失敗したら嫌だもん。…ほら、生き物だけならそんなに力も使わないしさ!」
「…むぅ、確かに……。…仕方ありませんのぅ。ですが、戻った後の事も考えた上で、お願いしますぞ!!」
「分かってるって!!」
(アルフ)
「………暇」
俺はハンスの部屋で暇つぶしが無いか、聞きに来ていた。
「ワシに言われてものぅ……。一発ヤるというのはどうじゃ?」
「そんな気分じゃないよ」
…平和だなぁ〜って思う。モンスターが出るわけでもなく、争いが起きてるわけでもない。外に出たら危ないけど、ただそれだけ。
「皆を集めて、何かするかの?」
「……何かって?」
「外に探検などどうじゃ? 皆で行けば危なくなかろうて」
クロードがおれば、“アレ”に出会ってもなんとかなるしの! と付け加えるハンス。……確かにそうだな。クロード、なんか強いし物知りだし。
「良いね! もしかしたら、生き残りも見つかるかもしれないしな!!」
俺はハンスの意見に賛成した。……みんなOK出してくれるかな?
「………というわけなんだけど」
「…危なくない?」
俺は同意を求める為にナユタの部屋に来ていた。…ハンスにはレンとルーの方を頼んだ。俺はナユタとクロード。
「前まではそうだったかもしれないけど、クロードなら“アレ”倒せたしさ」
俺が初めてクロードに出会った時は、持っている水で“アレ”を退治してたし、もしかしたらあの刀にも何かあるかもしれない。
「……う〜ん、クロードさんは了解してくれたの?」
「この後聞く予定だけど…」
「アルフさんがそれでいいなら、俺はいいよ」
ナユタはそう言って軽く微笑んだ。…よし、後はクロードだな!
「それじゃあ、クロードに聞いてくる!」
俺はそう言ってナユタの部屋を出た。少し早足になりながら、俺はクロードの部屋の前に立つ。
―――コン、コン
「…クロード、俺だけど」
―――……入れ。
部屋の中からクロードの声が聞こえてきた。俺はドアノブに手をかけ、クロードの部屋に入る。
「…あのさ、頼みがあるんだけど―――」
「断る」
ベッドに腰掛けているクロードに話を切り出すと、クロードはすぐにそう返事を返した。
「……まだ何も言ってないんだけど…」
「………お前とハンスが他の奴らに話しているのが聞こえていた」
「…どうしても、ダメ?」
「…………駄目だ」
クロードは俺から目を逸らして、そう言う。……やっぱりか…。
「……そうだよな。俺達じゃ“アレ”を退治出来ないし、クロードは俺達のお守りをするのが嫌だよな」
「…………そういう意味ではない……」
「……えっ? じゃあなんでダメなんだ?」
「………お前達を守り切る、自信が無い…」
クロードは刀の鞘を握りしめながら、俯いてそう言う。
「…クロード……。そんなに気にすることじゃないよ? ただ探検しに行くだけなんだし、危ないと思ったら帰るつもりだし…」
「………俺は、罪を償わなくてはいけない。お前の頼みを聞いてやりたい。…だが、俺がお前を守りきれなかったら……俺は……」
「…あ、あの、クロード…?」
クロードは一人で深く思い悩んでいた。……う〜ん、クロードはこういうところがあるからなぁ…。
「…クロード」
「………なん―――ッ!!」
俺はクロードの肩に両手を置いて、顔を近付けた。すぐ間近で、クロードの顔を見つめる。
「……クロードがそんなに思い悩む必要は無いんだよ? クロードが俺達を守れなかったとしても、誰もクロードを責めないし、俺達だってクロードに頼り切りは嫌だし…」
「………アルフ……」
「遊びに行くだけだし、ね?」
俺はクロードにそう言って微笑んだ。クロードは俺の顔をジッと見つめたまま動かない。……やっぱりダメかな…
「………分かった。俺がお前を必ず守る…」
「話聞いてた? だからそんなに気を張らなくて良いんだけど……」
…しかもなんで俺限定なんだろ? まぁ、OK出してくれたし、良いか。