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□第2話:ニガイ記憶
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小五の全国大会で、あたしはベスト32に入ることができた。
その大会の男子の部で初めてあたしは部長のテニスを見た。
キレイなフォームから繰り出される、ミスの無い完璧なショット
すごすぎて、
言葉が出なかった。
あたしの心に
焼きついた。
『あたしも、あんなテニスがしたい。』
それから、あたしは死にものぐるいで練習した。
最後の全小で優勝するために、そして…
あの人みたいなテニスをするために…
そんな時だった。
腰に、違和感を感じはじめたのは…。
県大前日、あまりの腰の痛みに耐えかねて、初めて整形外科へ足を運んだ。
突きつけられたモノは、小学生のあたしにとって、あまりにも残酷だった。