dream

□目線の先
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くるくる、くるくる。


今日も彼は授業中、退屈そうにペンを回す。
頬杖をつきながらペンだけをみて。
その眼は黒板を見るより真剣だ。私も似たようなものだけど。


くるくる、くるくる。



カシャーン



あ、落ちた。しかも私の足元まで飛んできた…。
とってあげた方がいい…よね


拾い上げて机の下から顔を出したらすごい勢いで菊丸と眼があった。
おっきな眼でじっと。…動けないじゃないかそんなに見られたら。


「はい」


眼があわせられなくて伏せ目がちにそっとペンを手渡す。


「サンキュー」


へへっと笑う彼に反応して勝手に顔が赤くなった。


ペンが手元に戻ってもまだくるくるとペンを回すのを続けている。


突然回すのをやめて何かを書いてるような仕草。
そしてこっちをいきなり向いた。
私は菊丸を見てたから、眼があうのは当然なわけで…。
そしたら急にくしゃくしゃになった丸いものが飛んできた。
訳もわからないまま開くとそこには


「あんま見られると俺、穴あいちゃうよ。」


って書いてあった。
ええと、動体視力がいいと斜め後ろまで見えるんだっけ…?






END
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