美咲の病気

先天性心疾患(ファロー四徴症)

チアノーゼが起こるタイプの心疾患としては、最も多いのがファロー四徴症です。
・心室中隔欠損(右室と左室の間の壁に孔があいている)
・肺動脈狭窄(肺動脈が細い)
・大動脈騎乗(大動脈が右心室に乗り出ている)
・右室肥大(右心室の壁が通常よりも厚い)
4つの異常が見られる心疾患である。

全身を回ってきた酸素の少ない血液と、これから全身に行くべき酸素の豊富な血液が、心臓の穴から混じり合う。
また、肺に行く血管が狭く、全身に行く血管が心臓の中心へ寄った状態で存在しているので、
血液はほとんど肺に行かず酸素不足のまま全身に送られてしまう。
この為、チアノーゼ症状が出る。血中の酸素濃度(サチュレーション)も低い。
(正常では100〜99%であるのが、80〜70、美咲の場合は80〜55)


心エコー
心臓を超音波で診ます。心臓・血管の位置や大きさ・構造などが判ります。


心臓カテーテル検査     2003年10月31日実施
足(太股)の付け根付近の大動脈(大静脈)からカテーテルといわれる細い管を差し込み、心臓まで届かせます。
その後、カテーテル先端から造影剤を拡散させることで、X線で心臓の形・血流などを検査します。
この結果を基に、今後の治療方針や手術の時期等を決めます。


BTシャント手術      2004年1月8日実施
側副血行路により血液の流れとして、全身に回るべき血液が不足したり、血液が空回りの状態になって心臓に負担がかかり、
また、低い血圧にしか対応できない肺動脈に大動脈からの血液が流れ込むことにより肺動脈や肺本体にかなり負担がかかっていたようです。
ですので、あまり年齢がいかないうちに、この血管を処理し、心臓自体を普通の形に近くする手術を行う必要がありました。
その前に、極端に小さく細くなっている肺動脈を大きく成長させるために、人工血管で大動脈−肺動脈間の血管をつくり、
細かく派生しているMAPCAを処理する(くくったりコイル詰めしたりする)手術を行いました。
血液が流れると、血管も大きく成長するのだそうです。
左肺動脈には左BTシャント手術、右の肺動脈には右BTシャント術、と分けて行うのが通常です。
美咲の場合は左を切りました。


美咲は、生まれてすぐに心雑音があると言われ、生後3日で渋谷の日赤医療センターに転送されました。
検査の結果ファロー四徴症と診断され、月に1度病院に通っています。

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