Dream drowning

□ACT.1
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「てな訳さ」

「あ――、うん?」

「だからね、」

窓際族のように転勤感覚で各地をぽんぽん渡り歩く事にも馴れ始めた頃。

突然に視界が狭まり身体の感覚が無くなっていくのを感じ気付けば洋画に良く出てくる洒落たオフィスで眼鏡が良く似合う30代の背広を着たインテリヤクザ紛いから話を聞いていた。

話の要点を纏めてみると、突然死んだのは用事が出来たから天国に呼んだと。
天国とはいえオフィス街みたいにゴミゴミしていて天国という実感は中々湧かない。
"あの世"に因んだ名前が多いくらいで対して変わりない。

で、実は新たに事業を立ち上げ、税金で世界を作ってみたのはいいが余り上手くいっていない。

で、そこで調度いいのが居るから呼んでみたとの事。

難しい、というか厨二病じみた発言があった為、大部分を省略したら五分と経たず終わる話。

後、初めて知ったのが普通の魂、これが輪廻転生で何回も巡るものだと思っていたが実は電池みたいな使い捨てだと聞いたから、人の命どうのこうの叫んでた馬鹿共が滑稽に思えてくる。

しかも充電器が無いから一時期工場に馬鹿げた量の発注が届いて忙しい時期があったとか。

その御蔭か今では天国も地獄も溢れ返ってると愚痴を零していた

地獄も伝承に伝わるような物では無く、刑務所みたいな物で、鬼に食べられたりする訳では無く、服役したり刑罰を受ければまた次があるらしい。

話を戻すと、新しい世界に溢れた魂やら何やらと詰め込んだら大変な事になったと。

しかも、勝手に管理人と自称して勝手に世界を消そうとするわタイムスリップして来た人間も居るわで軌道修正するのが大変らしいからちょっと行って邪魔なの消して来いとの事。

「三国志ね。 しかも有名な武将が女だとか、何狙って作ったんだよ」

「その辺は製作者に聞いてよ。 こっちは作品の内容より有益である事が重要な訳だし。 売れてればどうでもいいよ」

世界を観察するのが流行ってるらしくこの世界もそんなもんだとか。 ジャンルでいうとタイムスリップしてる人間居るからSF?

「有名な武将相手に異物(マホウ)使えないとか、私には無理だろ」

断言できる。 どうにか武術の真髄を取得できていてもこの世界では無理だ。 史実は別としてこの世界は全体的にキャパシティが高過ぎる。

強化の魔法を使った私が能力的に見れば平均よりは高いが、それ以上の力を持つ馬鹿げた人間が多くて霞む。 知力に関しても同様で中々ね。

更に戦馴れした武将相手にしながら邪魔物を消しされ、と?

せめて制限緩めとけよ。 義勇軍興すか国に所属しとかないと駄目とか。 何この条件。

「ああ、指輪は大丈夫だよ。 流石に派手に飢餓やら戦争使うのは拙いけど死は特に制限ないよ。 武器として使うなら尚更。
群れとして使うなら小隊くらいかな? 飢餓で集めた魂の感情を高めて現世に対する執着を高める位なら全く問題無い。 特定の個人に使うのも。 ただ、中身だけ殺すとかは勘弁。 見てて退屈だし。
戦争も、まあ、現実と離れ過ぎてなければ正常に作動するし。 ただ疫病は他人の病を奪うのはいいけど移すのは無理。 ちゃんと戦って殺さないと。
あとはまあ、混沌は倉庫代わり位なら機能するかな? 空間弄るとか世界観弄り過ぎるのはちょっとね。 魔法は元から補助位しか使わないから大丈夫じゃない? 強化系とか移動系なら全く。 あとは認識阻害にマジック程度なら問題無いかな。 色々試して登場人物全部壊しちゃっても構わないから宜しく頼むよ。」
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