本の国のアリス
□図書室、そして腹黒少女
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「ここはどこよ……」
大きな木の下にちょこんとその少女――あかりは座っていた。
見たこともない風景が目の前に広がり、何故か膝には買った覚えのない本が置いてある。
「なんで私はこんなのどかなところにいるわけ?」
さっきまで確かに学校にいたはずだ。
あかりは混乱しながらも手元にある本に目を通す。
「あ、この本……」
図書室になかった本だったので買おう買おうと思いつつも高くて買うのを諦めていたものだった。
一気に本の世界に浸る。
本を読んでいると悩みなど吹き飛んでしまう。
あかりは一先ず落ち着くことが出来た。
3分の1程まで読み進め、一旦本を閉る。
そして、今さっきまでの出来事を頭のなかで回想した。
そう、それは放課後のことだった…………
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