追憶の彼方の記憶〜remembrance〜


□二章:日常の続きと再び裏路地
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二章:日常の続きと再び裏路地




「あら、遅かったですのよね。」


自分の部屋に入った瞳夜が見たものは、リビングのソファーにおしとやかに座って瞳夜に上品に手を振っているフラットだった。


瞳夜は頭が痛くなった。


なんだこれは。はたから見ると『夫の帰りを待つ妻の図』になるじゃないか。嫌でも正しくは『押し掛け女房の図』であって………あれっ?……………何かそれも違う気がする

……などとこの事態に追いついていない頭でこの状況を分析しようと頭を回転させるが変な考えにしか到達しなかった。
そして最終的には考えることすら止めたのだった。

フラットはそれを面白そうに見ていたが、何も喋ってくれないのでこちらから喋ることにしたらしく、

「トーヤさん、お帰りなさいませなのよ。」

となんの恥じらいもなく言ってのけるものだから瞳夜の方が恥ずかしくなり、顔を真っ赤にしてうつ向いた。


「…………………………ってか何でここ知ってるわけ?」


しばらくの沈黙の後に尋ねる。フラットは待ってましたとばかりに胸を張って喋る。

「それはですねぇ………、私が特別だからですのよ。」

「…………はいっ!?そんだけ?具体的に何なの??」

「ふふん、それは女の子の秘密なのですのよ。」

「それ意味分かんないから!!!そしてお前はもう『女の子』語れる年じゃないだろ!!!!」

はぁはぁと肩で息をする瞳夜を面白そうに見ているフラットはというと、頬に手を添えていた。

「私は永遠の16歳なのですのよ。まぁまぁ落ち着いて下さいの。」



(その原因はお前だろ!)



瞳夜はなんとか理性を保ったのだった。


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