追憶の彼方の記憶〜remembrance〜
□五章:真実
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フラットは立ち上がった。瞳夜に背中を見せているので表情がわからなくなる。
「私がここに来てトーヤさんといる理由………でしたのよね。でもそれは第S級秘密事項なのですの。トーヤさんに教えることは出来ないのですの。」
「………………………」
「シャープも何級かは知らないのですが、秘密事項のことをやっているらしいですの。」
「…………秘密ばっかりだな、それは。」
「仕方ないですのよ、秘密なんですのから。」
でもと話を続ける。
瞳夜には相変わらず背中を向けたままだ。
「私とシャープのやっていることは別のことですが、シャープのやっていることは私にも関係しているですの。私の………」
ふるふると肩を震わせる。その顔に浮かぶは涙か、怒りか。
「私は……………」
「………フラット」
瞳夜が何か言いかけたとこでフラットは急にこちらを向いた。
その顔は笑っていた。
「トーヤさん、ということで私は欲張りですのよ。」
「あの話からどうやってその結論にいくかは理解し難いが、俺は何をすればいいんだ?」
「?トーヤさんは何もしなくてもいいですのよ。」
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