カカシ×ナルト.1
□最近の日常
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「ふぁ〜。よく寝たってばよ」
ナルト君は、大きな欠伸をするとベッドから降りて朝食の為キッチンへと足を向けました。冷蔵庫を開けて牛乳を取出そうとした時に、ナルト君の背後に人影が現れました。ナルト君は、驚いて後ろを振り向きました。すると、そこにはナルト君の上司のカカシが居るではありませんか。ナルト君は口をポカーンと開けて、しばらくカカシを見ていましたが我に返ると至極当然な質問をしたのでした。
「どうして、俺の家に居るんだってば?」
「え?」
「いや、え?じゃねーってばよ」
「何が?」
「何が?でも、ねーってばよ。どうして此処に居るか聞いたんだってば」
「ずっと近くに居たいし、ずっと見てたいからだよ」
カカシはナルト君に歩み寄りながら、そんな言葉を投げかけました。しかし、ナルト君は意味を分かって居ない様子です。怪訝そうに、眉を寄せました。
「俺ってば、もう子供じゃねーから。一人で大丈夫だってばよ」
そう吐き捨てるように言うと、出掛けなきゃならないから。と、ナルト君は身仕度を直ぐに済ませて早々に出て行ってしまいました。
「ナルトは出掛けて今は、家に居ない」
嬉しそうに呟いたカカシは、おもむろに自分のカバンから沢山の盗聴器や隠しカメラを取り出しました。家中にそれらを取付たカカシは、歌うように
「可愛いナルトは、俺のもの〜」
と言って、そのままナルト君が居るであろう場所をスキップしながら歩き回って捜し回ったのでした。
「やっぱり一楽のラーメンが一番だってばよ」
「そうね」
「サクラちゃんは、何で俺の事誘ってくれたんだってば?」
「その事何だけど、最近変な噂を聞いたのよ」
「ふぅーん。どんな?」
「あんた、カカシ先生に変な事されてない?」
「ぅえッ俺!?別に何も....あ」
「何?何があったの」
「今日家に来たってばよ」
「来ただけ?」
「それが、おかしいんだってばよ」
「何処が?」
「鍵閉まってた筈何だってば、それに....」
「それに?」
「俺の事子供扱いするんだってばよ」
「そうなの」
サクラは、ナルト君が変な事をされてないと分かると安堵の溜め息を漏らしました。鍵はナルト君が閉め忘れたのだと、考えたようです。
「そう言えば、あんたはカカシ先生の事どう思ってるのよ」
「どうって別に普通だってばよ。良い先生だし、優しいし、強いし、それに格好良いし」
「その先生って俺の事?」
と、いきなりカカシが二人の間に入って来ました。ナルト君は驚いて、持っていた割り箸を落としてしまいました。
「箸落としちゃう位、俺に会えたのが嬉しかったのか〜?」
言葉だけを聞いていたら、冗談の様に聞こえるのですがカカシは以上な程ナルト君に顔を寄せて喋ってるので、どうやら本気で言っている様です。
「いや、何でそうなるんだってばよ」
「だってナルトが俺を見つめてくれるから」
「いきなり来たら、びっくりして見ちゃうだろ」
「そうやって、恥ずかしがらなくても良いんだぞ」
「恥ずかしいとかの問題じゃねーってばよ」
「もうナルトは照れ屋だな〜」
「照れてねーし」
「こら。素直になりなさい」
「素直も何もねーから」
「意地張らないの」
会話が成り立たない事に疲れたナルト君は、サクラに救いを求めて視線を投げかけました。サクラは力強く頷いて見せると、カカシに一言。
「そんな事ばっかりしてると、ナルトに嫌われますよ。良いんですか?」
「あ、居たのか。サクラ」
「居たのかって。まさか、気付いてなかったんですか?」
「うん。今気付いたよ」
「それ酷くないですか?」
「どこが?むしろさー、ナルトと俺の会話の間に入り込んで来たサクラの方が酷いでしょ」
「先生。歯食いしばって下さい」
「え?うぐぅおおぉ」
サクラが力を込めた拳を振りかぶって、カカシの頬にぶち当てるとカカシは吹っ飛んで行きました。