novel
□子守歌…?
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熱い…。
「んっ…」
ミミは寝返りを打った。
額から元は濡れていたのであろうタオルが乾いた姿で、ずれ落ちる。
「ミミ」
心配の色を含んだエリックの声が心の中に広がった。
ずれ落ちたタオルが、再び冷たくなってミミの額に置かれる。
「ん…」
熱で潤んだミミの藍色の瞳が一度天井を仰いだ後隣で心配に見つめていたエリックに向けられた。
「目が覚めたのか?」
「…エリック…」
「平気か?お前すごい熱だぞ?」
大きな手の平でミミの熱い頬が包まれた。
「エリックの手…冷たくて気持ちいい…」
「俺は普通だって。お前が熱いんだよ」
「私…いつから寝てた?」
「昨日の夜からだよ。腹、減ったのか?」
今は、もう昼も過ぎたところだった。
「私は、大丈夫。エリックは…?食べてる?」
「病人が心配してんなよ。大丈夫だって。お前はもう少し寝てろよ」
「うん‥」
ミミは瞳を閉じた。
エリックは優しく髪の毛を撫でてやる。
「……」
「…ねぇエリック」
「なんだ?どうした?眠れないのか?」
「うん…」
エリックは自分が熱を出した時どうしてもらったかを思い出す。