なんだろう
なんだっけ
なんなのかな
【君の変化】
『新八のばかちん！』
君が怒る。
何でかは、分からない。
「ちょ。意味分かんないし」
急にどうしたの、と聞くと
またほっぺを膨らませて怒る。
『気付けにぶちん』
はぁ?と首を傾げる僕。
気付け、て何に。
そう思って、怒ってる君の後ろ姿を見つめた。
じーっと見る。
新しいネックレス?
(そんなことない。アレは僕がずっと前にあげたものだ)
新しい洋服?
(それもない。だってアレは君が働いてるとこの制服だもん)
新しい靴?
(それもない。だって今は万事屋の部屋のなかだし)
やっぱり分からない。
分からないから、
まだ君を見つめ続ける。
ふと、僕の視線に気付いたのか、君は振り向いて不機嫌な顔をちらりと見せると
、またすぐ顔をもとに戻してしまう。
ただ、耳が赤みを増して。
「ねぇ、気付け、て何に?」
その耳に囁いてみる。
君が肩を跳ねさせて此方を見る。
どうやら顔も赤みを増していたみたいだ。
『ばっ…//;』
「あ」
多分だけど
気付いたかも。
「前髪切った?」
少し目を見開いて
それから少しはにかんで
君は
『うんっ』
うなずく君のサラサラな前髪をなでる。
しかし女の子って言うのは…こう言っちゃぁ何だけど、
意外と面倒な生き物なのかな。なんて。
『似合う?ね、ね?』
「うん、似合う似合う」
それでも僕は
君を手放せないわけで。
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