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愛を知って自分の狂気に気づきました
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無邪気な笑顔
純真無垢という言葉がよく似合う。

その笑顔には曇りが一切無い。
純粋すぎるほどに




いつから一緒にいるのかは分からないくらいずっと一緒にいて傍にいた。

ただ、最近はいつも傍にいて笑っていてくれていたのは少しずつ、確実に少なくなってきていることを嫌でも実感している。
今、馬頭丸の傍にいるのは奴良組の若頭である奴良リクオ。
二人が笑い合う度に牛頭丸は無意識のうちに苛立っていた。




気に入らねえ――………
彼奴の隣は俺だけで良いのに




これはただの嫉妬だ。
自分でも呆れるほどの醜い感情。
ただの自分の我儘。
ずっと今まで一緒にいたからこそ、いつの間にかそれが当たり前になっていた。

「馬頭丸」
「何?牛頭丸」
「彼奴…リクオと話しててそんなに楽しいか?」
「うん、楽しいよ!
リクオは僕の知らない遊びを沢山知ってるからそれを教えてもらえて凄く楽しいんだ!」


馬頭丸は笑顔で話した。
一方、牛頭丸は口には決して出さないが馬頭丸のその笑顔が何よりも大好きで。
ただ今は違う。
初めて馬頭丸の笑顔を憎たらしいと思った。

胸のなかにどす黒い何かが渦巻いてる感じがする。

嫉妬?
哀しみ?
リクオに対する妬み?
馬頭丸を自分だけのものにしたいという、束縛したいという気持ち?
狂気?


こんなにも依存していたなんて
もう、後戻り出来ないくらいに依存していたなんて認めたくなかった

目から静かに雫が溢れてくる。
それを見られなくて馬頭丸を強く抱き締めた。
雫が溢れる目は狂気に満ちる。













愛を知って自分の狂気に気づいた










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