Librobreto V

□黄昏時奇譚
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気が付くと

あの大きな影が
私の影の前に

屈んでいた

そうして

私は
急に抱き上げられたかと
思ったら

肩車されていた




もう一つの小さな影も

大きな影の片腕に
しがみつく様に寄り添い

一つの繋がりを持つ
影となり

帰途についたのだ




そうして
あの時
確かに
世界が
少し優し気に
見えたのだ




人の心により
物事が意味を持つ事

その意味を
またしても
考えさせられた

あの日の出来事―

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