Donacoj
□それは決して 神話ではなく
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「―沙織さん?」
「―え?」
―ペガサス…
「どうしたの?…鳩が豆鉄砲喰らった様な顔して」
「…もう!星矢!…それにしても、どうやって此処に?」
「何処までも、何処へでも、自由気儘にはばたくペガサスだから」
「―!」
「今サガにばれると厄介だから―さあ、行こう」
「…何処へ?」
―きっとあなたは
こう言うわ―
「「あなたが笑顔になる処なら、何処へでも」」
「……え?」
「…鳩が豆鉄砲喰らった様な顔してる、星矢」
私だけが覚えている
遠い昔から変わらぬ私の想い
忘れてしまったあなたの
消え去らなかった
あなたの想い
今再び差し出された手に
自らの温もりを重ね
想いを重ね
『あの時』を
二人の手の内に
閉じ込めた
-Fino-