Librobreto UVerdaj tagoj
□きみはともだち
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「…で、アルデバランとシャカは何時戻って来るのだ?」
「“任務遂行”に思いの外手間取っているらしく、夕刻にずれ込むと、先程シャカから連絡があった。」
春の日差しも麗らかな午後、闘技場で訓練生達に稽古をつけていたミロとアイオリアは、合間の小休止に木陰に二人、腰を下ろしていた。
「“任務”ねえ。…二人共、子供や本の事となると、どこぞの弟子馬鹿も顔負けだからな。」
「おい、いいのか?親友の事をそんな風に言って。」
アイオリアは、ミロの発言を苦笑混じりにたしなめる。
「親友だから良いのだ。」
と、片眉を上げてミロは答えた。
「……なんにしても、平和になったものだ。」
「……そうだな。」
聖戦が一応の終結を迎えた後、神々の様々な思惑が複雑に融合した結果−
―或る者は 皮肉を込めてそれを“奇跡”と呼んだ―
−戦いにその魂を投じた、今生の三界の戦士達が甦生した。
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そして現在−束の間に過ぎないとしても平和な時間は、確かに刻まれているのである。
「さて、夕方までに、もう一暴れするかな。」
ミロが立ち上がり、縮こまった身体を引き伸ばすように背伸びする。
「手加減してやれ。結構彼等はへばっている様だから。」
次いで立ち上がったアイオリアが、休んでいる訓練生達に視線を巡らしつつ、ミロに声を掛ける。
「ふむ。…だったら、久々にお前との手合わせを願いたいものだが?彼等も休めるし、我々の戦いを見るのも勉強になるであろう。」
「では、そうするか。」
そんな会話を交わし、訓練生を呼び集めながら、二人は再び闘技場へと降りていった。
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