Librobreto UVerdaj tagoj
□きみはともだち
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「済まぬな、アルデバラン。急な用立てに君を巻き込んでしまった。」
「いいや、俺もこれと言って用事は無かったし、村の人達に会うのは楽しいから、気を揉むに及ばぬ。」
シャカの言葉に、アルデバランは彼らしい、人好きする笑顔で答えた。
二人の姿はロドリオ村の集会所にあった。
この村には小規模で古い図書館が一館存在するのみなので、聖域の文書館所蔵の本で、一般の目に触れても問題の無い資料などは定期的にこの集会所に運搬され、村人への貸出が行われている。
また、子供を集めて勉強を教える事もあり、通常は文書館の任に就いている者が数人で執り行っているのだが、アルデバランやカミュ、シャカなどは聖域駐在時には、文書館員に混ざって仕事を手伝う事もあった。
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村人は―極々少数を除いて―誰がどのような聖闘士であるかまでは知らないので、彼等を文書館員として認識し、接していた。
そして今日、非番のアルデバランは、同じく非番のシャカに声を掛けられ、出張貸出の“臨時任務”に携わっていたと言う訳だ。
「それにしても、今日は大盛況だな。子供達も多く来ているし。」
子供の一人に本を手渡し、アルデバランが言う。
「前回は天候が余り良くなかったらしいからな。」
自分の脚にまとわりついて甘えている小さな女の子の頭を優しく撫でてやりながら、シャカは答えた。
室内には、並べられた本の中から、思い思いのものを手に取る人、
一角に設けられている閲覧スペースでは、借りたばかりの本を読む母親の様子を、その隣でじっと見詰めている子供、
仲間で連れ立って大きな画集に見入る子供達
或いは、文書館員と取り留めの無い談笑をする数人の村人達―
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窓から注がれる柔らかな陽射しが、人々の織り成す風景に、より一層穏やかな色彩を与えていた。
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