++ 展示U ++
□浸透
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いつの間にか、当たり前のように並盛中の応接室へ訪れるようになっていた。
その時も、扉を開けると、黒い革張りのソファーに雲雀は腰掛けていた。
「よう、恭弥」
「…貴方を貰う」
「………は?」
『浸透』
唐突に言われた言葉に、暫く思考が停止した。
言葉の内容もそうだが、それを発した人物が、あの雲雀恭弥だという事実のせいもあっただろう。
ディーノがフリーズしている間に、いつもトンファーを操っている手がディーノの顎を引き寄せ、顔を近付けようと……
「ちょ、まっ……ぅわあ!?」
添えられた手を払い除け、後ずさろうとしたディーノは、運悪く、自分のズボンの裾を踏んでしまい、尻餅をつく格好となった。
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