++ 展示T ++

□君に捧げる・・・
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恋する乙女が勇気を振り絞ってチョコレートと一緒に想いを届けるバレンタインデー。




君に捧げる・・・





今年の2月14日は土曜日のため、前日の今日に皆がチョコレートを渡していた。

目覚ましい活躍を見せているテニス部レギュラーは例に漏れず、それぞれがチョコレートを渡されていた。

そうでなくても美形ぞろいのメンツなので、渡される数は少なくない。

中でも断トツで多いのは、跡部財閥の御曹子・跡部景吾である。

毎年校内のみならず、他校の女子生徒からも渡されているため、トラックが必要なほどの量になる。

しかも、年々その数は増すばかりだ。




さて、そんな大量のプレゼントの山を跡部はどのように処理しているのか?




「景吾様、こちらでよろしいでしょうか?」

「あぁ。残りは家の方で処理してくれ」

「畏まりました」


跡部は家人たちにプレゼントを部室へと運び込ませていた。

すでにテーブルの上に溢れているにも関わらず、まだ家に持ち帰らなければならないほどらしい。


「…今年もぎょうさん貰ってきよったなぁ」

「侑士もすっげー貰ってんじゃん」

「比べもんにならんわ」


跡部の次にチョコレート獲得数が多く、両手に紙袋を下げて部室に入った忍足は、むせ返るような甘い匂いに眉を潜めた。

対する岳人は目の前の光景に胸を踊らせている。


「うっわ〜!今年もいっぱいあるC〜!」


普段は寝ている慈朗も甘い匂いに誘われたのか、ぱっちりと目が覚めているようだ。


「…下剋上だ」


チョコレートの山を睨みつけている日吉は何やら呟いていた。


「――っ、外も凄かったが、中はヤバイな」

「去年より匂い凄くないですか?」


扉を開けて入ってきたのは宍戸と鳳。

二人ともやはり紙袋を下げている。


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