++ 展示T ++

□犬も食わないバカップル
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「準備はいいかの?」
「えぇ。ではまた明日」

部活帰りになにやら打ち合わせらしきものを終えた仁王と柳生は、別れを告げてそれぞれの家路へと急いだ。





犬も食わないバカップル






翌日。


バレンタインデー前日。

立海大附属中学は奇妙な雰囲気が漂っていた。

昨日まで持ち切りだったこの日の話題を、今日は口にするものがあまりいない。

しかし、あからさまに期待している者、告白を前に緊張している者、うんざりしている者と様々な思惑がない混ぜになっていて、異様な雰囲気があった。


昼休みや放課後になると告白タイムがスタート。

立海大には校舎裏に一本の大きな木があり、告白スポットと呼ばれている。

今日は同時に何人もが告白するという場面も少なくなかった。


「これ、私の気持ちです。受け取ってください!」

「気持ちはありがたいのですが…」


昼休み、その中にテニス部の紳士・柳生比呂士もいた。

落ち着いた雰囲気を漂わせ、丁寧に断りの返事をする。

しかし、告白は断れるものの、好意から渡されるものは断れないようで、手には綺麗にラッピングされた箱が握られていた。


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