++ 展示T ++
□notice
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この冬場には珍しく、オレンジに輝く太陽が沈んでいく、きれいな夕焼けの中の部活帰り。
「あ、仁王君」
聞き覚えのある声に、呼び止められる。
「…お〜、柳生。なんか用かのぉ」
それは、最近ダブルスを組み始めた、パートナーの柳生だった。
「えぇ、貴方に渡したい物がありまして」
「?」
差し出されたのは、青いストライプ柄の紙袋。
このような光景を、今日は何度も見た。
「あ〜…。もしかして、誕生日プレゼント?」
「はい。今日でしたよね、おめでとうございます」
後に、立海大の紳士とまで呼ばれる柳生は、いかにも好意的な笑みを浮かべていた。
いつも冷静さを失うことが無く、常にこの紳士的な笑みを湛えているこの男。
きっと裏の顔があるに違いないと、パートナーを組んでからいろいろ観察してきた。
しかし、なにも見つからなかった。
あの性格は、元かららしい。