小説
□はっぴーはろうぃん
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パンパンパーン!!
応接室で盛大にクラッカーの弾ける音がした。
そして
「ハッピーハロウィ〜ン!」
と、元気良くディーノと骸は雲雀に向かって言った。
二人はとても元気があるのだが、雲雀は苛立ちを隠せないのか、はたまた隠す気がないのか、眉間に皺を寄せていた。
「まだ仕事が終わってないから後にしてくれる?」
疑問系の割にかなり威圧的な言い方だった。
だが、ディーノはそんな事はお構いなしに
「恭弥〜!んなもん後にして、パーティーしよーぜ〜!!」
とKYぶりを発揮した。
もちろん雲雀の逆鱗に触れてしまい
「咬み殺す!!」
と一声言うと、雲雀はディーノをトンファーでボコボコにした。
自業自得といえばそうなのだが、それにしてもあまりに理不尽なため、骸は少しその光景に引いてしまった。
雲雀にボコボコにされたにもかかわらず、当の本人は全く気にしていないのかは分からないが、ヘラヘラしていた。
さすがにマフィアのボスともなると、打たれ強かった。
そんな事はさておき、雲雀はまた風紀委員の仕事を始めてしまった。
そんな光景を目の当たりにして、ビクビクと怯えながら骸は
「あっあのっ…(汗)僕も雲雀君とパーティーしたなーって…思うのですが…(苦笑)」
と言ったはいいものの、雲雀が睨んだ途端に縮こまってしまった。
だが、意外にも雲雀は
「はぁ…。…しょうがないなぁ。」
と言って
「少しだけだからね!(怒)」
とパーティーをする事を認めてくれた。
その事に二人は感激して涙ぐんでいた。
パーティーとはいえ、三人だけで開催しているため規模はショボかった。
しかし、ディーノと骸が雲雀に
「トリックオアトリート!!」
と言った時にお菓子を用意していなかったため、二人が無理矢理ネコ耳を雲雀に着けた事によって、パーティー自体はかなり華やかに(ディーノが茶化す度にボコボコにされるため)なった。
雲雀がネコ耳をまんざらでもないと思っていたのはここだけの話。
彼らは楽しい一時を過ごした。
この先に待っている過酷な戦いを知らずに…
end.
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