小説

□好きというキズ
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僕はきっと、貴方の事を好きになってはいけないんですね。
僕は、これ以上あなたを傷つけたくない。


…だけど、好きなんです。


「ごめんなさい。僕は、貴方を傷つけてしまった。だから…僕は貴方のそばにいない方がいいんです。」
「…骸。謝らなくて、いいんだよ。それに、君は僕のそばにいていいんだ。」

貴方は優しい。それゆえに、傷つきやすい。

「ダメなんです。僕は、これ以上貴方が傷つくのを見たくない。」
「僕は大丈夫だから。…そばにいてよ。僕は、骸のそばにいたい。ずっと。」

ほら。また僕は、貴方を傷つけてしまった…

「僕も、貴方のそばにいたいです。…でも、貴方をどうしても傷つけてしまう。どうすればいいんでしょうか。」

どうすれば…
貴方の悲しい顔を見ずにすむのですか?
誰か教えて下さい。

「…僕だけが、傷ついているわけじゃないよ。」
「それは…どういう意味ですか?」

分からない。
あなた以外に誰が傷ついているのですか?

「分からないのかい?君だよ。君も傷ついているじゃないか。」

僕が?
なぜ傷つくのです?貴方を傷つけているだけなのに…

「何時、僕が傷つきました?」
「…今も傷ついているじゃないか。」

今?
何の事?

「どうしてですか?」
「…泣いているじゃないか。」
「なぜ…僕は泣いて…?」

ポロポロ

拭いても拭いても止まらない。
なぜこんなにも胸が苦しいのでしょう。

「僕が傷つくたび、君も傷ついているからだよ。」

身勝手です。
…そんなの。

「僕はなんて身勝手なんでしょう。貴方を傷つけて…」
「それは違うよ。君は、身勝手なんかじゃない。…優しいんだよ。」

優しい?
…僕が?

「嘘です。そんなの…」
「嘘じゃないよ。優しいから、君は泣くんだよ。」

優しいかったら、きっと貴方を傷つけてませんよ。

「それに、人を好きになるってそういう物なんじゃない?傷つけて、傷ついて。それでもきっと、幸せな時があるから、人間は好きな人のそばにずっといるんじゃないかな。」
「…いいのでしょうか。僕が、貴方と一緒にいて。」
「いいんだよ。僕は、ずっと君のそばにいたい。君とこうしてずっと話をして、幸せでいたい。」
「傷ついても…ですか?」
「うん。僕には、君しかいないんだ。いくら傷ついても、僕は君のそばにいたい。」

あぁ。
貴方は、なんて優しいんでしょう。

まるで、

心の闇を溶かしてくれる太陽のように。

「僕も、ずっと貴方のそばにいたいです。僕にとって、貴方は太陽のような存在なんです。なくてはならない、大切な。」

僕の涙はいつの間にか止まっていて、笑顔に変わっていた。
まるで、雨が止んで晴れ間がさしたように。

「僕が太陽か。フフッ。悪くないね。じゃあ君は…花かな?僕は君の花のような笑顔が好き。いや、君の全部が好きだよ。」
「僕も、貴方の太陽のように暖かい優しさも、貴方のすべてが好きです。」

いつまでこの幸せが続くかなんて分かりません。

けれど、

貴方といる今を精一杯幸せな時に変えましょう。

たとえ

どんな事があっても、貴方と二人で乗り越えていきます。

きっと貴方となら、

どんな壁も乗り越えられるはずですから。


end.




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