小説

□もしも二人が出会ってすぐ結婚したら 〜プロポーズ編〜
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ちょ。
今。
何て、
言った?


「け、けっこん?」
「そうだ!!」
とりあえず幻聴ではない事を確かめて、アーカードがとてもとても微妙な顔をする。
インテグラに至っては石化であった。



ちょっと待て。
ちょっとつーか、いや、その前にいろいろとツッコまなければならない所がありすぎる。
どうやってツッコもう、というか何コレどんなツッコミ?コレツッコんでたら相当長くなるぞ。
まず何故に結婚という思考に辿り着いたの?
そりゃ俺だってアンデルセンの事は好きだけど(一目惚れです) さすがに結婚は考えてなかった、だって敵だし。俺は吸血鬼であいつは神父なんて禁忌プレイ過ぎるし。 え?そういう路線狙うならまぁ全然いいけどさ・・・。いやいやそれ以前に俺達男だし!!!まぁこっちとしては性別なんざどうとでもなるし男の自覚もないけども、つーか、いいのかコレ、お前そんな事言ったらこっちまで遠慮なくお前の事好きになるぞ、いいのか!本当にいいのか!!早まってないかアンデルセン!!酒入ってないかアンデルセン!!夕べのご飯覚えてるかアンデルセン!!大丈夫なのか(頭の方)アンデルセン!!アンデルセェェェン!!!!




「いつまで呆けた顔をしている!返事はどうなんだアーカード!!」

唐突に怒鳴られてアーカードはびくりと背を伸ばす。
そして即座にこう叫んだ。
「病院行こう!!精神的な!!」
「何も分かってねーじゃねぇか!!!」
「分かったらちょっと危ない気がするんだが」
「・・・ならば分からせてやる!」


出し抜けにそう宣言したかと思うと、アンデルセンは躊躇なくこちらに歩み寄り、あろう事か敵の館のド真ん中の廊下のその更にド真ん中で、敵である吸血鬼の体を抱きしめた。



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