帽子屋と3月兎と眠り鼠(芳)
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『お茶、如何?』
女王の所から逃げてきたアリスに、呑気にお茶を注いでいる兎が話しかけます。
『ほら、もう3時だし』
愛想よく、茶色の兎が笑顔を向けました。
じゃあ、ちょっとだけ…と空いた席に座ると、空のティーカップが置かれました。
『……え?』
『遠慮はいらない。存分に飲め』
向かい側座る、帽子をかぶった青年が呟きました。
『お菓子もあるよ?』
茶色の兎が皿を差し出します。けれど、何も乗っていません。
フォークだけはきちんと手元に用意されました。
訝しげに二人を見やると、
『お食べ』
と、言われてしまいました…。
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