不思議の国の女王2(芳)
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美しい、金の髪が揺れていて。
吸い込まれそうな、ブルーサファイアの瞳は愉しげに緩んでいて。
むせかえる程の薔薇香りに酔わされそうで。
キラリと光った、銀の刃に気付くのが、遅れてしまいました。
『……きゃッ!』
鼻の先を、冷たい刃がかすめました。
猫が咄嗟に腕を引いてくれたおかげで、怪我をせずに済みました。
『猫、邪魔をしないで』
先程までは持ってなかった大鎌を、くるりと回して呟きました。
『可愛いわたくしのアリス。あなたの首を、わたくしにちょうだい?』
『僕のアリスはあげないよ』
猫は、アリスを抱き抱えると、現れた時と同様に煙のように消えていきました。
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