84*SS

84*小ネタ集
(シリアスパラレル激甘ほのぼのギャグ…etc...)
◆双子幼少パラ 

雨合羽から覗く小さな手
「にいちゃん、かえろ」
傘もささずに座り込んでた僕を迎えにきてくれたのは
いつだってちっちぇえ半身だった

2011/06/27(Mon) 04:41 

◆no title 

どろり溶けてしまった棒アイス

ああ、炎天下の中わざわざコンビニまで買いに行ったオイラのバニラアイスバーが…

涼を求めて得た筈のそれは、この暑苦しい時に自分の体の熱を更に上げるきっかけになってしまった。

(そうだ、お前が居る前で棒アイスなんか食ったオイラが馬鹿だった!)

2010/07/28(Wed) 01:43 

◆あたたかな手に撫でられた時、 

許されてはいけないと反射的に思った。
そしたらハオは「誰に?」と訊いた。

「友達に?許嫁に?肉親に?神に?」

わからない、そんなの。だけど。

ふるふる頭を振れば、ハオは困ったように微笑った。
嗚呼やめてくれ。お前だけはオイラに優しくしないで。これ以上、ハオなしではいられなくなりたくないんだ。
そう思った時、誰かに許されたくないのは他でもないオイラ自身だと分かってしまった。

きっとハオも気付いただろうけど、ハオは何も言わなかった。
それがとても辛くて、けど嬉しくてたまらなかった。

(オイラが本当に許されたくなかった人は、ハオ本人だったのかもしれない。)

2010/04/23(Fri) 13:21 

◆※微グロ注意 

焦げ臭さと腐臭が鼻を突く。
力無く垂れ下がる両の腕は、いつか夢で見たのと同じ赤に染まっていた。
言いようのない感情が嗚咽と共に込み上げる。

――救えなかった。

一生手が届かない場所へむざむざ行かせてしまった悔しさが痛くて辛くてしょうがなくて。
張り裂けそうになる胸を自分で掻き抱いて、いっそ裂けてしまえと自棄になって叫んだ。

2009/10/20(Tue) 01:24 

◆no title 

……寒い。

明け方、普段起きるより早い時間。
纏っている衣を通り抜けて肌を刺してくる冷たい空気に、ぶるっと身震いした。
最近寒くなってきたとはいえ、目覚ましが鳴るより早く覚醒するなんて珍しい。

「……さみぃ」

いつも鬱陶しいくらいにひっついてくるくせに、あいつは肝心な時に限って隣に居ないんだ。
役立たずの馬鹿兄が心底腹立たしい。

「(でも、もっと腹が立つのは、)」

―ちらりとでも寂しいと思ってしまった自分自身、だ。

2009/10/11(Sun) 06:41 

◆※微えろ? 

中身が出やすいものは食べにくいから好かんとか言ってたけど、今葉は僕が手土産に持ってきたシュークリームを美味しそうに頬張ってる。
…あ、クリームこぼした。

「うぇ〜…こぼれひまっは」
「はいはい、食べながら話さない。まだ残ってるんだからいいだろう?」
「(もふもふ…こくん。)いやだ。なんか損した気分になるからこれも食べる」

止める間もなく葉は落ちたクリームを指ですくって舐め始めた。
……なんだろう、そういう意図は全くなかったんだけど。いわゆる棚ぼたってやつなんだろうか。

(「…なんよ、じっと見て。貧乏くさいとか思っとるんか」)
(「…いや、そんなことないよ」)

2009/10/08(Thu) 13:57 

◆愛と呼ぶには 

「相変わらず、お前は詰めが甘いね」
(ああ、そうだな)
「それがお前の生来の優しさから来てるのは分かってるけど、決心を貫くには邪魔でしかないよ」
(うん、兄ちゃんの言う通りだ)
「刺すなら、反撃の余地を与えないくらい深くしないと」
(…でもな、今のオイラにはこれが限界だったみたいなんよ)
「……痛いよ、すごく」
(すまん。許して欲しいなんか言わんよ)
「許さないさ。そして忘れない」
(…さんきゅ)

葉の手に握られていた包丁は僕の背に刺さったまま。
僕が投げたナイフは葉の首を掠めて太い動脈を傷付けた。

(好きだったぞ。世界で一番オイラは兄ちゃんが好きだった…)
「…だから止めようとしたんだろう?」
(お見通しだな)
「でもお前は僕を殺せなかった」
(おぉ…だけど、兄ちゃんはオイラを独りには出来んって知っとったから)
「………」
(オイラはあっちで待っとるよ。来るも来ないも、兄ちゃんが決めてくれ)

(……愛しとるぞ…)

力無く崩れた体に雫が落ちた。

今までどんなに頼んでも言ってくれなかったくせに、最期の最後でそんなことを言うなんて。

2009/10/07(Wed) 17:55 

◆学ぱら 

「…ハオ、離せ」
「いやだよ。そもそも葉からしがみついてきたんだからね?」
「寝言は寝て言え。オイラは起きて朝飯作らんといけないんよ」
「いいじゃないか。今僕はお腹減ってないし」
「…自己中過ぎるぞ、その発言」
「もう少しのんびりしよう。せっかく二人きりなんだから」

―明日には両親が旅行から帰ってくるから、今日しかチャンスはないんだし―

後ろからぎゅっと羽交い締めにされる。
オイラを人間カイロとか湯たんぽかと思ってるんじゃないんかコイツ。

2009/09/30(Wed) 22:08 

◆祈り 

これが兄弟としての情と呼ぶには行き過ぎてると充分分かってる。
だからハオにもオイラを想って欲しいなんて思わない。
それでも……

「すきだ――ハオ」

もしも与えてくれるならと願わないことはないけど
ただ今はお前が楽になれますようにと
そればかり考えてる

2009/09/28(Mon) 13:05 

◆金木犀 

ふわり鼻をかすめた甘い香りはどこか懐かしくて、つい匂いの元を探してしまう。
目を向けた先には、予想通りの橙色の花のそばにとてもよく似た白い花も咲いていた。

『よく似合ってるよ、葉』
『うぇへへ、ハオもな〜』

―ああ、そう言えばこんな会話もあったなぁ。
ハオはオイラに橙色の花を、オイラはハオに白い花をそれぞれ髪に飾ったんだった。

(神様になった兄との思い出の一粒)

2009/09/27(Sun) 18:14 

次の10件→
[TOPへ]
[カスタマイズ]



©フォレストページ