LONG fast

□MP:6 転入コンフュージョン
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もう一体何が何だか
とりあえず校長に相談だ





「なるほど…それでそこにいる九澄大賀君が当校敷地内に入ってしまいこの騒動となったと…」

校長室に佇む九澄とボロボロの柊
それと端っこ、壁際で黙って事を見守る凛

「は〜〜困りましたねぇ」

予想だにしない出来事に頭を抱えるのは花咲も同じだった

「おおお、おいばーちゃん!!!言っとくけど俺は被害者だかんな!
 このオッサンにつれ込まれただけなんだ!あの爆発だって…」

必死の剣幕で花咲に詰め寄る九澄
校長に対してなんつー態度だ

わめく九澄にプレートを差し込む柊

「んぁあああーーーっ!!はうっ」
「うわぁ、痛そー」

ゴゥン、と良い音がして後ろの鉄の像に頭をぶつける九澄
よほど痛かったのかブランブランと体が揺れていた

「ずいぶん驚いたでしょうね。この聖凪高校は高等学校として普通の授業ももちろんしていますが、
 特色として魔法を学ぶことができる特殊な学校なのです」

あ、九澄の顔が変だ
まぁ普通に考えればそうだろうな
入学式は凛もそうだったし

「どうして当校でそのような事が可能かと言えば…本校が建っている聖凪山の力なのです
 世の中にはところどころに『不思議な現象が起きる場所』というのがあります
 私達は魔法磁場と呼びますがいわゆる『魔力』が強力に生まれる稀有な土地
 聖凪山はそんな『魔特区』なのです」
「魔法…特区…」
「昔から言われる聖地や霊山などは魔法特区な事が多いのです」
「わたしも後で知ったんだけどここも昔は神社だったみたい」

図書館でふとこの聖凪の歴史をつづった本を呼んでいると、
昔はここは霊山として神社が建っていたらしい
それを先代校長…聖凪の初代校長花咲音弥が学校に変えたとか

「魔法というのはそもそも特区で生まれる『魔法現象』をコントロールする技能なのです
 『魔法使い』という特殊な存在がいるワケではなく、特区内なら誰でも訓練次第で扱えるようになる技術なのです」
「…もしかして俺でも?」
「ええ。実際そちらにいる加水さんも使えますよ
 無論短気で身につけるには才能は必要です。当校の入試は魔法の資質が大きな判断基準になってるんですよ?」

そこでふと凛が引っ掛かった
そう言えば九澄もここを受験したのだ
そして入試案内が…

「大賀!入試案内の最後のページにあった文章読んだ?」
「はあ?俺そんなン見てねーぞ!!」
「まァ。本校を受験されたの?
 面接時に全員に魔法に関する質問をしますが、入試案内にはあらかじめ魔法で各自異なる答えが書かれていて資質の高い人にはその分が読めるようになっているというワケです
 むろん当校内に入ってからですがね
 でも残念ね。魔法文字が読めないと合格はムリよ」
「じゃあ面接の時に既に大賀の不合格は決まっていたと…」

あ、九澄が泣いてる
まぁそれもそうだ
毎日毎日あれだけ必死に勉強して、テレビも漫画もゲームも我慢していたというのに
挙句に不合格、滑り止めも辞めて聖凪で大暴れ

なんというか、救いようがない
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