LONG fast

□MP:2 プレート狂想曲
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なんでわたしだけ色が違うんですか





「せせせ、先生、これって…」
「…とにかく今は他の生徒のプレートが先だ
 加水、校長室に行ってなさい」
「は、はい」

受け取ったプレートを危うく取り落としそうになった
とりあえず誰かに見られて騒がれるのも勘弁なので所定のネクタイ裏にプレートを入れておく
そろーりと部屋を退出した

(えと、校長室…場所わかんないや)

一回玄関に行って見取り図を見ないと、と思いなおす
幸いクラスメートたちは談笑していてこちらには興味がないようだ
…と思っていたのだが

「よぉ、さっきの奴じゃん。同じクラスだったんだなー」
「あ、えと…」

凛に話しかけてきたのは入学式で隣に座っていたヘアバン男子
既に数人の友人と話しこんでいたが凛の姿を見てこちらにやって来た
ネクタイ裏のプレートに目ざとく気付く彼

「おっもうプレート作ったんだな。見せてくれよ」
「あ、待って…」

凛が庇おうとしたときには既に遅く、
二人の手がぶつかってプレートが床に落ちてしまった

ざわっ

一気にその場にいた全員の視線がプレートへと集まった

「うそ…ゴールドプレート?」
「だってそれって先生クラスってことでしょ」
「あの子何者…?」

プレートの次は当然凛が注目の対象となるわけで、
しばらく動けなかった凛だったが

だっ

「あっ、おい!」

物凄い早さでプレートを回収すると逃げるように走り出した

「あの子うちのクラスだよね?」
「入学早々ゴールドプレートって一体何者だよ」
「なんて名前だったっけ?」
「「「「「「……さあ」」」」」」
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