LONG fast

□MP:10 レッツ魔法
2ページ/6ページ




ところ変わって聖凪山自然区域

「しかしお前も恐ろしー兄貴持ったモンだな」
「2年の伊勢っていや魔法力すごく高いんだろ?私ら1・2年校舎じゃ一番の実力者って話だし」
「2年初めでもうシルバープレート持ってる人ってかなり少ないんでしょ?」
「普通の人より一年早いペースって聞くけど」

聞けば聞く程凄い人に感じるのだが
そしてそんな人に入学二日目から喧嘩売られたのだが
更にそんな人に魔法教わっていたのだが…

「けっ、た…たいした事ねーよあんなヤツ。ここにゴールドP持ってる1年が2人もいるじゃねーか」
「「「た、確かに」」」

一々追い込まれるものだ

「し、しかし何だってあんな噛みつき合ってんだ?お前ら家で何かあったのかよ」

苦肉の策で話題を反らす九澄
だけど余計に表情は暗くなった

「家って…いっしょに住んでねーし。あいつは出来がいいから高校入ると同時に一人暮らし認められてさ
 俺は二時間かけて通ってんのによ、あいつはいっつもそーだ。いい思い一人じめしやがってよ。
 ああ見えて昔から勉強も運動もソツなくこなすヤツでいつも俺は比較される身さ。対抗意識で聖凪高校受けたんだけどそのお陰で覚えた魔法でまで差ァつけられてたまるかよ」

だからやたらと一番になることにこだわっていたのか
でもまぁ凛からして見れば…

「口は乱暴だけど結構いい人っぽかったけどなぁ…」
「「ええー!?」」






「え?そ、そんなに驚く事かなぁ?」

一気に非難の目を浴びる凛
反射的に九澄の影に隠れつつ入学したての頃を思い出した

「えと…わたし、入学したばっかりの時伊勢先輩に魔法教えてもらってたから」
「そーなの!?」
「うん。分かりやすかったし、結構面倒見いい人だったよ…ってあ、あのー。伊勢君?」

(ちくしょー…勉強も運動も好きな子までアニキのかよ…)

余計にショックを受けている伊勢
自分は何か悪い事でも言っただろうかと九澄に聞くと苦笑して頭を撫でられた

「こうなったらゼッテー魔法じゃ勝ってやるからな!!」
「ンな兄弟ゲンカに俺達を巻き込んで欲しく…」
「魔法なら九澄くん達が手ほどきしてくれるわよ」

一人盛り上がる伊勢に釘をさすように言う九澄だったが、
愛花のとんでもない言葉に遮られた

「なんたってプレートレベルはお兄さんより上なんだし、私達だって同じ班だし力になるよ。ね、九澄くん」

そんな顔されて拒否できる筈がなかろう

「は…はい」
「わたしも手伝うね」
「クォーさすが親友!!いいヤツだぜ」

ガシッと九澄の手を握る伊勢
かと思うとくるりと凛の方を向いた

「そしてありがとう加水〜」
「ひっ」

ゴッ

「魂胆見え見えだってーの。凛に抱きつこうったってそーはいくか」
「あ、ありがとう久美ちゃん」

煙を立てて地面に沈む伊勢
見事な三国のケリが炸裂したのであった

「ったく、ただでさえ人見知りなんだからあんまビビらすなよ。気持ちはわからなくもねーが」

「ああ気持ちはわかる、こういった野外授業はついムダ話をしてしまうものだ」

九澄の背後に不穏な影が…

「だが俺の授業では命取りだという事を覚えとくんだ」
「ひ〜スイマセン〜つか何で俺だけ…」

ブンブンと巨大な木に捕まって揺さぶられる九澄だった
哀れな…
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ